FEATURE 今月の特集

特集

ハマのプレミアム。

横浜DeNAベイスターズ
Interview

昨年、2011年の球団創設以来、観客動員数165%アップ、 さらに、公式ファンクラブの会員数が約10倍になるなど、この4年でひとつの到達点に 達したともいえる横浜DeNAベイスターズ。 これら一過性ではないファンの信頼を獲得して迎えた5周年目は、スローガン「WE PLAY TO WIN」を掲げたように、チームも勝負の年なら、球団も勝負の年。年明け早々には 横浜スタジアムの株式公開買付け(TOB)を完了し、球団と球場の一体経営をスタート。 その動きはさらに加速度を増している。今回は、この一角を担い、横浜スタジアムにしかない最高のプレミアムエンタメに挑む、 ボールパーク部部長・五十嵐聡さんにインタビューした。

Satoshi Ikarashi
ボールパーク部部長 五十嵐 聡さん

1978年生まれ 高校球児時代を経て、球場の運営、セキュリティ、
おもてなし分野のプロへ。世界最高峰の球場エンタメを目指す。

写真①

炎が上がるライトブルペンのゲートから白馬が駆け抜ける・・・。まさかの展開に息を飲み、驚きの声を上げる約2万9000人のスタジアム満員ぎりぎりの観客。今年の本拠地開幕セレモニーは、おごそかに、そして躍動感をもって執り行われた(写真①)。
光と音、想像を超えた演出をもって始まった今シーズン。「エンターテイメントのプロとしての自覚をもって、今年はさらに突き抜けます」(五十嵐さん)「YOKOHAMA STAR☆NIGHT」「B食祭」「Family Ballpark」での移動式水族館やグラウンドでの一泊キャンプなど、野球観戦、そしてスタジアムそのものの常識を覆すユニークかつパワフルな企画力は周知のとおりだが、これら企画管理、照明、映像、音響、演出などの総合プロデューサーとして現場をとりしきるのはすべて球団職員。この4年間、スポーツエンタメの本場のアメリカはもちろん、ジャンルを問わず「本物」をベンチマークし、その技術やノウハウを貪欲に吸収してきた。

「会場の一体感、音響、照明からスタッフ・・・どれをとっても、世界最高峰のスポーツエンタメといわれる『スーパーボウル』。そして『東京ディズニーリゾート』の徹底した非日常の世界観、究極のおもてなしなど、そこにあるスキルやマインドを体感し、それぞれの職員が現場の実務に取り入れてきました」。
想定外の驚きや非日常のエンタメ提供を標榜するなかで、とことんこだわるのはその完成度。最高の一瞬は、細部へのこだわりからなるものだからだ。
たとえばエンタメに欠かせない音響は今年、さらに「突き抜ける」ひとつだという。
「当初はスタジアムの複雑な構造もあり、音が拡散してしまうなど、その伝え方ひとつにしても苦労しましたが、今では、選曲から音切り、タイミングなどのテクニカル面、そして音響設備も含め、コンサートライブに匹敵する音楽空間を目指しています」。

開幕セレモニーも『スーパーボウル』を意識したものだが、音楽へのこだわりは何も特別なイベントだけではない。たとえばスタジアムの開場とともにリラックスモードの曲で観客を迎え入れ、試合開始が近づくにつれて重低音が響く戦闘モードの曲調へ。スタジアム全体の闘争心を喚起する。
「野球は9回まであり約3時間と長丁場。さらに表裏とその合間があるという、ほかのスポーツにはない特性があります。また、9回裏の大逆転など劇的なドラマがあるのも野球の醍醐味。野球ファンでない方も飽きない仕掛けを意識していますが、やはり観客のみなさんの目的は試合観戦。選手のプレーを見て、応援することです。そこに驚きや感動がある。そうした緊張感と高揚感あるエモーショナルな空間をさらに高めるのが音楽なんです。あくまでも球場を舞台としたエンタメ。そこからぶれないことが鉄則です」。
今や定番となった、主力の山﨑選手の「ヤスアキジャンプ」も、こうしたプロ意識がつまった人気のエンタメシーンのひとつだ。「zombie nation」(kernkraft400)のメロディ、そして電光掲示板の「ヤ・ス・ア・キ」に合わせてタオルマフラーを掲げてジャンプするファンの姿、広がる高揚感。まさにファン、選手、球団が一体となったここにしかない瞬間だ。
「選手たちの理解と協力を得ながらイベントを行いますが、『やっぱりホームはいいね』という声をもらいます。アウェイでは、試合の合間が無音のこともあるので、そういうときは物足りなさを感じるらしいですが(笑)」。

こうしたエンタメに対するストイックな姿勢の背景には、球団としてのぶれない想いがある。
「強いチームでも3回に1回は負けるのが野球。試合の勝ち負けだけで評価するのではなく、観戦するという行為そのものを楽しんでもらいたい。そこで驚きと感動を体感してもらうことで、再び足を運んでもらう。チーム同様、我々も『次は無い』。1回1回が真剣勝負です」。
そして忘れてはならないのが株式公開買付け(TOB)で大きく前進した、横浜という地における「ボールパーク」構想。目指すは、野球ファンだけでなく、さまざまな人がスタジアムに集い、コミュニケーションを育む場の実現だ。ここには今回スポットを当てた「イベント・演出」や「サウンド」を含め「グルメ」、「景観」などのキーワードが込められている。

「ファン、選手、そして球団が一体化することで最高の瞬間が生まれます。たとえば選手の本気のプレーがなかったら、観客が少なかったら、最高潮の盛り上がりはありません。ボールパークも同様、我々と街、集う人が一体となってつくり上げるものです」。
ほかにはない、最高峰のエンタメ、そして夢の横浜スタジアムづくりへの具体的なアクションはまさに現在進行形だ。

「リストデー」開催!

リストデー日程(18時試合開始)
7月  5日(火)ヤクルト戦
8月23日(火)阪神戦